「つくる」ということについて考えてみる

ちょっと面倒くさいことを書こうとしてるな、と思っているのですが、書いちゃう。

私が何かを作るときにいちばん大事にしていることは「自分が本当にかわいいと思っているかどうか」。

当たり前のことだけれど、これを守るのがなかなか難しい時があります。


今は「puppe」という屋号でショップを開いていますが、以前は別の屋号で活動していました。これはその時のお話です。


当時は結構自分の中がギラギラしていて、知名度をどうやったら上げていけるのかを毎日真剣に悩んでいました。そして、月に2~3回の販売イベントに出店し、年に数回の大きな会場でのイベントにも出店、挙句の果てによくわからないコンサルの方が持ってくる浮ついた話にもあやうく乗りかけたりしました。

そんな中で、私は自分が何を作りたいのかを一旦棚上げし、「次のイベントで何が売れるのか」を考えてしまうようになります。流行っているモチーフ・題材があれば自分なりにアレンジしたり、使いやすさよりも奇をてらったデザインを考えたり。

今思えば、自分が本当に作りたくて作ったものが売れなかったときのショックを回避したかったのかもしれません。


もちろん作っていても面白くないし、恥ずかしいですがモチベーションは「次のイベントの売上はいくらか」ということになっていきます。HP上では「持っている人がほっこりするような雑貨づくりを目指します」とかなんとか言いつつ、実際はギラギラメラメラの商売人でした。


そんな活動を3年くらい続けたでしょうか。

自分を叱咤激励することにほとほと疲れました(笑)。

締め切りだけがどんどん迫ってきて、それをこなすことに精一杯で、本当に申し訳ないけれど楽して仕上げた作品や納得できない仕上がりのものもありました。

それで、思い切って一旦すべてシャッターをおろしてまたフルタイムで働きに出ることにしました。


次にちゃんと針を持ったのは、それから5年くらいたったころ。

ギラギラしていたころの屋号は封印し、制作物も刺繍小物から編み物小物に変更し、すべて新しく整え、イベント出店もやめて、ただただサイトに細々と出品しました。

売上なんてそうそうあるはずありません。

でも不思議と作るのがとても楽しくなりました。


紆余曲折があって今は刺繍小物も制作していますが、去年の秋に発表したスワンのポーチは、うれしいことにギラギラ時代以来のご好評をいただき、5月末までにたくさんの旅立ちを見送ることができました。

自分が自信をもってお送りするものだったのでまったく苦しくはありませんでしたが、それでも半年間の激務で体に不調をきたし、今年は6月からお休みをしてしまいました。


その間、何をしていたかというと、ひたすらスウェーデン人形を編みました(笑)

そしてやめときゃいいのにまた毛糸の在庫を増やしました(笑)

それを聞いて、実家の母がどっさり毛糸を送ってくれました(涙)


今は作るのがとても楽しいです。

作るのも楽しいし、作ったものを届けて喜びのメッセージをいただけたときには本当にうれしい。だからまた、9月からショップを再開することにしました。


今の私にはギラギラするエネルギーも時間もあまり無くなってしまいました。

でも自分が「気に入ったもの」を作って発表する気持ちを持てました。

もっと正確に言えば、「自分が自信をもって制作したものが評価されなくても頑張れる気持ち」でしょうか。いや、そりゃあね、もちろん…誰にも見てもらえなくって、いいねもお気に入りもなかったらちょっと「アレレ…」とは思うでしょうけれど…それを人のせいにしないという意味です。


ひとことで済んでしまう簡単な言葉ですが、基本、長いものに巻かれて安心を手に入れたい私にとってはものすごく難しくて大事な教訓です。